初期費用が少なく、手軽に始めやすい駐車場経営ですが、ぜったいに黒字になるわけではありません。きちんとした準備をしないまま経営をスタートさせてしまうと、赤字になる可能性もあります。こちらでは駐車場経営が赤字になる原因や赤字にしないための対処法を紹介します。
駐車場経営を始める前に十分な調査を行っていなかった場合、そもそも駐車場に対する地域の需要がない場所で駐車場経営をスタートさせてしまう恐れがあります。
どれほど広々とした駐車場を用意したとしても、根本的にエリアとして駐車場に対するニーズのない場合は稼働率を高めることができず、収益につなげていくことも困難です。そのため駐車場の需要はしっかりと調査しなければなりません。
コインパーキングや月極駐車場のような駐車場経営では特別な構造物を建てる必要もなく、イニシャルコストやランニングコストも抑えられると思われています。しかし駐車場として利用する土地は不動産であり、毎年の固定資産税の課税対象になることも重要です。
固定資産税は駐車場経営におけるランニングコストの1つですが、設備の維持費や管理会社への手数料などと違って毎月に発生するものでなく、思わぬ出費になることがあります。
競合他社となる周辺の駐車場よりも利用料金が高すぎる場合、そもそも利用者が訪れにくくなってしまうため稼働率が低下して収益性が悪化します。一方、料金を極端に下げてしまうと、利用者が現れたとしても薄利多売の状態となり、なかなか利益へつなげていくことができません。
駐車場の料金設定は地域の駐車場に対するニーズやエリア特性、料金相場などを総合的に考慮して算出します。
駐車場経営で失敗する原因の1つに、駐車場の利用しにくさが挙げられます。
特に狭小地や変形地などを駐車場として活用する場合、道路から駐車場へ入る入口や、駐車場から道路へ出て行くための出口などの幅や角度といった点にも注意しなければなりません。
また立地条件は良い場所であっても、駐車スペースを確保しようとするあまり出入口の利便性が後回しになると、結果的に利用されにくい駐車場になってしまいます。
駐車場経営において、赤字回避のためにまず行うべきは事前調査をしっかりと行い、そもそも駐車場を展開すべき立地条件かどうか冷静に検証することです。また、ニーズや周辺地域の競合他社の動向などを分析しつつ、キャッシュフローを具体的にシミュレーションしなければなりません。
ただし、これらのプランニングを適正化するには十分なノウハウが必要であるため、不安があれば自営式でなく信頼できる管理会社などへ相談することも有効です。