月極駐車場は、利用者と一カ月単位での賃貸契約を結ぶ形態の駐車場です。毎月の賃料が収入になります。賃貸契約ですが、駐車場の場合は借地借家法ではなく民法が適用されるため、事前告知すれば、貸主が事業をやめたいときはいつでも解約可能です。契約期間の内での解約の場合は、特約を定める必要があります。月極契約は利用者が固定されるため、安定的な収入を得やすく、看板や精算機などの設備投資が不要です。
月極駐車場で必要な初期費用は、土地整備にかかる費用が中心となります。一般的にアスファルト舗装の場合の費用は、1㎡につき4,000~5,000円/㎡程度。耐久性が高いコンクリート舗装なら、1㎡につき8,000~1万円/㎡程度が目安です。駐車マスのラインを引いて、車止めや看板の設置といった費用が加わります。ただし看板は、コインパーキングのように目立つ必要はありません。土地に建物が建っている場合は解体費用が必要です。木造は1坪につき3万~5万円、鉄骨造は1坪につき5万~7万円、RC造は1坪につき6万~8万円程度を考えると良いでしょう。
月極駐車場の維持費は、清掃や賃料の集金といった運営費、固定資産税や所得税、トラブルに備える保険などです。税金は土地の広さや売上によって大きく差が出ます。清掃や賃料の集金、トラブル対応などは、管理業務を委託するのが一般的。委託する管理会社へ支払う料金も必要です。
コインパーキングは、駐車時間分の料金を払う形態の時間貸し駐車場です。契約者と契約書を取り交わす必要がありません。不特定多数の人が利用するのが特徴です。コインパーキングは、ロック板と料金精算機が設置されています。また安全性を高める照明や集客のための看板、セキュリティシステムも必要です。多くの車が頻繁に出入りするため、アスファルト舗装が良いとされていますが、初期費用を抑えたい場合は、未舗装で開業することもできます。
建物が建っている場所をコインパーキングにするなら、解体費用が必要です。コインパーキングの初期費用で大きなものは、土地整備と料金精算機、ロック板。料金精算機は1台40万~50万円が目安です。ロック板は、1台10万円程度を考えておきましょう。監視カメラの設置も必要です。
ただし、コインパーキングは、設置や電気の配線などの手間がかかるため、一括借り上げ方式で運営されていることがほとんど。設備費用はオーナーが負担するものではありません。
運営費や税金、機会のメンテナンス費用、電気代、警備会社の費用などが維持費として必要です。しかし、一括借り上げであれば、運営費はすべて運営会社負担となります。
初期費用は舗装なしの月極駐車場が最も安く抑えられますが、維持費はコインパーキングならコストがかかりません。収支計画を立て、月極駐車場とコインパーキングのどちらが良いか検討するといいでしょう。
駐車場経営にかかるコストは、初期費用と維持費です。駐車場経営には、月極駐車場とコインパーキングがあり、それぞれかかるコストは異なります。大きな違いは、設備。コインパーキングには、集客用の看板やロック板、料金精算機が必要です。しかし、コインパーキングは一括借り上げ方式が一般的なため、運営会社が設備費用は負担します。また維持費も運営会社の負担です。駐車場経営の初期費用は、主に土地整備代と言えます。