駐車場経営オーナーが知っておきたい、コインパーキングと月極駐車場のメリット・デメリットをそれぞれ解説しています。
土地オーナーがコインパーキングを経営する場合、自分で機材を購入して工事から管理運営まですることも考えられますが、専門業者に土地を貸して賃料を得るケースがほとんど。
そこで、ここではコインパーキングの土地貸し経営について一般的なメリットとデメリットを紹介します。
■メリット
■デメリット
コインパーキングは、先にご紹介したように、初期投資や管理に費用負担が少なく済むところが大きなメリットです。
コインパーキング経営にかかる費用は、自営と業者利用で大きく変わってきます。下で算出した費用は、広さが100平米、10台分のコインパーキングを仮定したものです。
自営の場合 | 一括借り上げの場合 | |
---|---|---|
舗装費用 | 50万円 | 50万円 |
機材料金 | 約300万円 | 0円 |
設置費用 | 100万円~ | 0円 |
合計 | 約450万円 | 50万円 |
自営でコインパーキングを始めようと思うと、月極駐車場経営とは比較にならないほど高額な費用が必要です。ですが、コインパーキングの管理・運営を専門業者に依頼した場合、駐車場機材の準備や設置のための費用は、業者が全て負担してくれるため、ほとんどリスクなしでコインパーキング経営を始めることができるでしょう。
ただし、土地が舗装されていない場合は、舗装のための費用が発生します。アスファルト舗装工事の費用は業者によって異なりますが、1平米辺り5,000円程度が相場のようです。コンクリート舗装にすると、アスファルトよりも少々金額が上がります。
コインパーキング経営で業者を利用する場合、毎月発生する借上げ賃料が収益となります。借上げ賃料は場所や利用する業者によりますが、そのエリアの月極駐車場の相場が目安となるので、東京都心部では35,000円程度が目安となります。 1台分で35,000円なので、上記の例でいえば、10台分で一か月350,000円の収益が期待できます。
月極駐車場として運営する場合も自営と専門業者への委託が選べますが、月極の場合は自営が一般的なので、そちらのメリットとデメリットを紹介します。
■メリット
■デメリット
月極駐車場経営は自営で行う場合が多いため、その条件において、発生する費用と得られる収益を算出していきます。立体駐車場であれば莫大な初期投資が必要になり、建築基準法に即した設計にする必要があるため複雑になるので、こちらでは平面駐車場の例でご紹介しましょう。
自営で行うことを前提として考えれば、月極駐車場はコインパーキングよりも圧倒的に低コストで始めることができることが特徴。コインパーキング同様、舗装されていない土地であれば舗装費用が必要ですが、駐車機材なども必要ないため、初期費用は大幅に軽減されます 。
費用 | |
---|---|
舗装費用 | 50万円 |
機材料金 | 0円 |
設置費用 | 0円 |
整地費用 | 20万円~40万円 |
合計 | 70万円~90万円 |
上の金額は、100平米、10台駐車可能というコインパーキングと同様の条件で計算しています。整地費用としたのは、区画線や番号の表記、車止めを設置するための工事費用です。必要最小限のコストで始めようと思えば、区画線の代わりに自分でロープを張るなど、整地費用も削ることができるため、その場合は舗装費用だけで月極駐車場経営を開始することができます。
一括借り上げのコインパーキングでは、業者が管理を行ってくれるので、ランニングコストを意識する必要はありませんでした。ですが、自営で月極駐車場を経営するとなると、ランニングコストのことも考えなければいけません。
固定資産税などは今まで通りだとしても、清掃、巡回、クレーム対応などを業者に依頼する場合は、管理委託料が必要です。全て自分で行うという場合は、労力によって埋められます。その他、コンクリートが割れた場合の修繕費用など、使いやすい駐車場を維持するための土地管理費が必要です。
発生する収益については、エリアの月極駐車場の相場や、契約台数によって大きく変わります。東京都心部の月極駐車場の相場は、30,000~40,000円となっているので、10台分が全て埋まれば300,000~400,000円が収益額です。
ですが、その半分しか埋まらなかった場合だと、150,000円~200,000円となり、コインパーキングの借上げ賃料よりも低くなることも十分考えられるでしょう。
これらのメリットとデメリットを比較すれば、現在月極駐車場で十分な収益を得ている方以外、コインパーキングを検討したほうがよさそうです。