駐車場経営において、ある意味不可避とも言える各種のトラブルの例を取り上げ、それぞれの内容と対処方法について紹介します。もちろんこれらのトラブルは起きないに越したことはありませんが、ほぼ起きるものと想定し、実際に起きた場合にどうすべきかを予め考えておくことが重要です。
料金に関するトラブルは、コインパーキングの場合と月極駐車場の場合で、内容がやや異なります。コインパーキングの場合は、料金を支払わず、フラップ板やゲートバーを壊して逃走するというパターンが多く、料金不払いに加え機器類の修理費用という損害も発生します。
月極駐車場の場合は、アパート経営などの場合と同じく、月々の駐車料金が支払期日までに支払われない状態です。何か月分も滞納されるというパターンが多く、早めの対応が鍵となります。
コインパーキングの場合、不正利用が発生するのは管理不足である場合が多いという傾向にあります。防犯カメラを設置し、ゴミの投棄などがないかなど、定期的に見てまわることで、リスクは大きく軽減できます。また料金表示が分かりにくく、思っていたより高額を請求された利用者が立腹してフラップ板やゲートバーを破壊するというケースが少なくありません。料金設定を見やすく・分かりやすく表示することで、予防効果が期待できます。
月極駐車場の場合は、アパート経営などの場合と同じく利用者の与信審査や保証人を求めるといった、より厳格な対応を実践することが必要です。また、何ヶ月分かの賃料を前払いすれば1割引き、のようなサービスプランを設定・提示するのも手です。
月極駐車場の場合、契約者以外の人が勝手に車を駐車するというのが多いパターンです。また、利用者が車以外のものを置くというトラブルも少なくありません。
コインパーキングで多いのは、一般利用と見せかけてそのまま車を放置するという、一種の不法投棄が挙げられます(月極駐車場でも起こり得ます)。撤去費用は駐車場オーナーが泣き寝入りしなければならならない場合がほとんどです。また本来の駐車スペースではない場所に車を停めて、料金を踏み倒すという手口もよく見られます。
不正利用を阻止するには、月極駐車場もコインパーキングも、防犯カメラの設置が不可欠です。また「不正駐車は通報します」といった文言を目立つように掲示することも欠かせません。その上で、定期的な巡回も行うことも防犯効果を高めてくれます。
コインパーキングの場合、上記の料金トラブルでも触れたように、料金設定が分かりにくいことで、利用者からクレームがつくということが起こります。また機械の故障や誤作動などによって、駐車や清算ができないといったトラブルや、駐車券紛失といったことも起こり得ます。
月極駐車場の場合は、他人が勝手に車を停めているため契約者が停められないケースがクレームになりやすいです。
近隣住民から起こりやすいクレームには、看板の照明が明るすぎる・車からの排ガスやエンジン音、利用者の話し声が大きい、などの苦情が発生しやすい傾向にあります。
これらのトラブルすべてに個人で対応するのは、現実的はほぼ不可能です。その道のプロである駐車場管理会社に依頼し、365日24時間でトラブル対応が行える体制を整えることが現実的と言えるでしょう。
駐車場経営で起こり得るトラブルは、ときに想像の域を超えるものがあります。常識やルールを軽んじる人によるトラブルが増えている点は、もはや社会問題とも言えるでしょう。
経費削減のために個人経営で頑張りたいという気持ちはあるでしょうが、負担の軽減という面はもとより身の安全という観点からも、1人ですべてを背負いこむのは避けるべきです。実績のある、信頼できる管理会社への依頼を、ぜひ検討してみてください。