駐車場経営は相続税対策として有効な手段の一つです。ただし、特例が適用されるためには条件があり、すべての駐車場が対象とは限りません。
ここでは特例の条件と駐車場経営による相続税の減額について詳しく解説します。
駐車場経営は、一定の条件を満たすことで相続税対策として効果を発揮してくれます。これは「小規模宅地等の特例」という税制上の優遇措置があり、駐車場の敷地の評価額が減額される仕組みがあるためです。
特例が適用される駐車場であれば評価額の50%が減額され、相続税の負担を抑えられる可能性があります。
特例が適用されるためには、敷地に構造物が必要とされています。
そのため、舗装がされておらず単に止め石やロープを張っただけの駐車場では、資本投下が限定的な青空駐車場は「事業性が低い」と見なされるため、残念ながら小規模宅地等の特例の対象にはなりません。
しかし、資本を投入して厚い砂利を敷くなどの構築がされていれば、構造物がない場合でも事業性があると判断され特例の対象になる可能性があります。基準が明確でない部分もありますので、専門家に相談するとよいでしょう。
駐車場経営で小規模宅地等の特例が適用されるためには、いくつかの要件が揃っている必要があります。
まず「構造物の有無」が大きなポイントとなります。駐車場にはアスファルト舗装や機械式駐車場の設置が必要で、事業性が認められる状態でなければなりません。また、「貸付事業」として継続的に経営されていることも条件となります。
また、適用される特例の内容は、相続した敷地面積が200㎡までに限定されています。これを超える部分については減額が適用されないため、所有している駐車場が特例の面積条件を満たしているかどうかの確認も必要です。
また、平成30年度の税制改正により、相続開始直前に貸付事業を開始した駐車場は原則として特例が適用されないため、長期的な事業計画を立てることが必要があります。