駐車場経営のメリットやリスクを考える上で「利回り」を意識することは重要ですが、実は駐車場経営で考えるべき利回りには「表面利回り」と「実質利回り」の2種類があります。
表面利回りとは、駐車場が常に満車の状態で1年間運営されたとして、その総収入を土地の取得にかかった費用で割って算出する割合です。
表面利回りは、その駐車場経営によってどの程度の収益を見込めるのか大まかに計算するための考え方であり、不動産投資としてのメリットを考える上で活用できます。
反面、実際の利益とは数値的に差がある点に注意が必要です。
実質利回りとは、駐車場経営による収入から、固定資産税や管理手数料、保険料といったランニングコストなどを差し引いた利益をベースにしつつ、土地取得の費用と設備工事の費用を合わせた初期投資額を使って算出する利回りを指します。
実質利回りは、表面利回りと異なり実際の駐車場経営で必要な経費などを勘案している分、より実際の収益性などに近づけられることがポイントです。
具体的に駐車場経営で高利回りを目指そうとすれば、どのような点を意識して事業プランを考えていくべきなのでしょうか。
駐車場経営は不動産投資における土地活用の1種ですが、必然的に土地の性質が収益性や利回りへ直結します。立地条件や周辺エリアのニーズを事前にしっかりとマーケティング調査して、その土地で駐車場を運営した際にどの程度の利益が見込まれるのか、あらかじめ細かくシミュレーションしておくことが高利回りを目指す上で不可欠なポイントです。
また、周辺エリアの競合他社や将来的な開発計画なども考慮してください。
様々な機器を設置したり設備を導入したりすれば、高機能な駐車場を用意することが可能ですが、初期投資の金額が増えれば増えるほどに実質利回りは低下していきます。
使い勝手の悪い駐車場の場合、そもそも利用者を集めにくくなりますが、最初のコストをかけすぎると利回りが低下してしまうため、適切なバランスを見極めて初期投資費用を可能な範囲で抑える取り組みが大切です。
常時の利用が想定される駐車場経営の場合、オーナーが個人で経営を続けていくのは現実的に困難です。そのため多くのケースにおいて管理会社へ管理業務を委託することになるでしょう。
不動産投資の中でも特に駐車場経営では24時間体制のサポートや急なトラブルに対するケア、その他にも日常的な清掃や集金作業も必要であり、管理会社を比較検討した上でノウハウを有する専門会社へ相談しましょう。